■シミが発生するメカニズム
シミが発生するメカニズムは、まず紫外線による刺激から始まります。
私たちの皮膚は紫外線にさらされると、皮膚の基底層に存在するメラノサイトと呼ばれる色素細胞が活性化します。
メラノサイトは、紫外線による細胞へのダメージを軽減するため、メラニンという色素を生成します。生成されたメラニンは、表皮の細胞へと運ばれ、皮膚の表面に分布します。これにより、肌は紫外線から保護される状態になりますが、メラニンが過剰に生成されると、皮膚のターンオーバー(約28日周期)が乱れることがあります。
正常なターンオーバーでは、古い細胞が角質となり、メラニンを含む色素も排出されます。しかし、紫外線の過剰曝露、加齢、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、さらには摩擦や炎症などの要因によってターンオーバーが遅れると、メラニンが排出されず皮膚に蓄積します。この蓄積が進むと、色素沈着として固定化され、シミとなります。
特に紫外線の影響を受けやすい部分では、長期にわたる蓄積によりシミが濃くなる傾向があります。また、加齢に伴って肌の代謝能力が低下すると、メラニンが肌内部で解消されにくくなるため、シミがさらに目立ちやすくなります。
このように、シミは皮膚の防御反応として始まる一方で、過剰な刺激や代謝機能の低下によって形成され、肌に定着してしまうのです。
■シミの種類
シミには様々な種類があります。
●老人性色素班
老人性色素班は、長年にわたる紫外線の蓄積によって発生するシミの一種です。
40代以降に現れることが多いですが、日光を浴びる時間が長い方では若年層でも見られることがあります。
形は丸く、茶色や黒に近い色をしており、肌の表面に現れることが多いです。
<治療法>
ヤグレーザー治療によるスポット照射でピンポイントに治療が可能です。ダウンタイムはありますが1回の施術でシミ取りをすることが可能です。
またIPL治療器で痛みや肌への負担を抑えながらシミだけでなく、総合的な肌質改善を促すことができます。
●肝斑(かんぱん)
肝斑は、左右対称に頬骨の上に広がるような形でできることが多く、薄茶色や灰色がかった色をしています。女性に多く見られ、特に30代から50代の年齢層でよく発生します。
紫外線だけでなく、ホルモンバランスの変動が大きく影響しており、妊娠や経口避妊薬の使用、更年期がきっかけで発生することもあります。
<治療法>
肝斑は他のシミとは異なり、過度なレーザー治療は逆効果となることがあります。低出力のレーザートーニング、また内服薬(トラネキサム酸)やピーリングなどの治療が推奨されます。
●そばかす(雀卵斑)
そばかすは、遺伝的な要因で子供の頃から見られることが多いです。
顔や鼻の周り、頬に散らばるように小さな茶色い点が多数できるのが特徴です。
そばかすは思春期に目立つことが多いですが、成人してからも紫外線を浴びると濃くなる傾向があります。
<治療法>
レーザー治療やIPL治療がそばかすの改善に効果的です。
●ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは、アジア人に多く見られるシミで、頬や額、鼻の下などに青みがかった灰色のシミが現れるのが特徴です。メラニン色素が真皮層にまで沈着しているため、一般的なシミ治療よりも深い層へのアプローチが必要になります。見分けることが難しいとされています。
<治療法>
真皮層まで届くQスイッチレーザー治療を使用します。ADMには、IPLやトーニングによる治療では効果が出ません。
ADMの治療は1回の治療のみでは除去しきれないこともあるため、複数回治療を要することがあります。
●炎症後色素沈着(PIH)
ニキビや外傷、またはレーザー治療後に皮膚が炎症を起こし、その後メラニンが過剰に生成されて皮膚に沈着することで生じるシミです。
シミの色は茶色から黒、または紫色まで様々で、通常は炎症があった場所にのみ現れます。
<治療法>
ピーリングや炎症を抑える内服薬や外用薬が効果的です。
■当院のシミ治療
【Qスイッチルビーレーザー】
Qスイッチルビーレーザーは、694nmの波長を持ち、メラニン色素への吸収率が高いレーザー治療で、主にシミやそばかすなどの色素疾患の治療に用いられます。皮膚深部のメラニンを効果的に破壊することができます。
老人性色素斑(シミ)、そばかす、あざ、刺青などの治療に適しており、症状に応じて1回から複数回の施術が必要です。
一般的なシミは1回で改善することが多いですが、難治性のシミには複数回の治療が必要です。
<治療の流れ>
施術前に皮膚を冷却し、局所麻酔を行った後レーザーを照射します。治療後は数日でかさぶたが形成され、自然に剥がれ落ちる過程で色素が薄くなります。
アフターケアでは、施術部位をこすらない、日焼けを避ける、指示された軟膏や保護テープを使用することが重要です。これにより、色素沈着や炎症後のトラブルを防ぎます。
<注意点>
一時的な赤みや腫れが生じることがあり、施術間隔を守ることが肌へのダメージを防ぐポイントです。また、効果には個人差があるため、医師と相談しながら治療を進める必要があります。
<費用>
1㎝まで10,000円
1㎜毎に+1,000円
【フォトフェイシャル ステラM22(IPL治療器)】
フォトフェイシャルステラM22は、最先端のIPL(Intense Pulsed Light)技術を用いた肌改善治療です。
この機器は、シミやくすみ、そばかす、赤ら顔などの肌トラブルを改善することに特化した美容治療機器です。加えて、肌のハリや透明感を向上させる効果も期待できます。
当院のステラM22はルミナス社のフォトフェイシャルで最上位の機器です。
■フォトフェイシャルステラM22がおすすめの理由
《ステラM22の効果》
・シミ、くすみ、そばかす、肝斑
・毛細血管拡張症(赤ら顔)
・ニキビ・ニキビ跡
・小じわ
・毛穴の開き
・肌のたるみ
これらの症状は、1回の施術でも効果を実感することができ、回数を重ねることでさらに美しい肌に導くことが可能です。
■6種類のフィルター機能で様々な肌悩みに
フォトフェイシャルステラM22には6種類の波長フィルターが搭載されており、それぞれ異なる肌の悩みに対応しています。
515nmのフィルターは薄いシミやそばかすに効果的であり、590nmは赤ら顔や毛細血管拡張症に対応しています。
640nmの波長は濃いシミや肝斑にアプローチ可能です。さらに695nmの波長は、肝斑を併発している部位にも使用され、特にデリケートな肌への施術に役立ちます。
フォトフェイシャルステラM22は、治療前後の紫外線対策が特に重要で、施術後は肌が敏感になるため、低刺激の日焼け止めを使用し、過度な日焼けや刺激を避けることが推奨されます。
また、施術によって得られる美肌効果は、回数を重ねることで増幅されますので、3~6回の施術で最良の結果が期待できます。
■厚生労働省の薬事承認で安全性が高くダウンタイムが短い
フォトフェイシャルステラM22は厳しい審査を通過した厚生労働省の承認機器です。
照射サイズを変更できるためお悩みの部位に対して的確に光を届けることができ、副作用を最小限にする治療が可能となります。
また、冷却機能の向上により肌への刺激を抑えることができ、痛みに弱い方でも施術を受けていただけます。
施術後のダウンタイムはほとんどなく、施術直後からメイクが可能です。このため、忙しい方でも気軽に施術を受けることができます。
<治療の流れ>
肌の状態を確認し、メイクや汚れを除去した後に保護ジェルを塗り、IPL光を照射(全顔で10~30分程度)していきます。
ジェルを拭き取り、必要に応じて保湿ケアを行います。施術後はすぐにメイクが可能です。
アフターケアでは、照射部位をこすらない、日焼け止めで紫外線を防ぐ、適切なスキンケア製品を使用することで色素沈着や炎症後のトラブルを防ぎます。
<注意点>
IPLはダウンタイムが少ない治療ですが、一時的な赤みや腫れ、シミが濃く見える場合があります。ただ、時間経過によって自然に改善していきます。施術は4~6週間ごとに行い、複数回の治療が推奨されます。
<費用>
全顔1回:27,500円(税込)
6回セット:137,500円(税込)